Last Update : 2005.09.17

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[2005.09.17] Apple vs SONY and ...

iPod nano

最近、ソニー製品はめっきりお見限り状態である。

いつからそうなったのかはっきりしないが、もうずいぶん昔のような気がする。

以前は年に5〜6回もソニーサービスセンターに通いながら「なんでこうもソニーの製品はよく壊れるんだろう?」と思ったものだが、

「あっそうか、我家はテレビもラヂオもビデオもカメラもステレオも電話もウォークマンも、み〜んなソニーだったな。それで他社は壊れないんだ、持ってないから。あはは…」てな時期もあった。

アップルが、iPod nano の発表した当日、ライバル「ウォークマン」も新製品発表を行ったらしい。しかし、iPod nano が発表当日から手に入るのに対して、ライバルは11月というのだから、ま、ノンビリした会社である。

発表記事によると、どうやらソニーは「ウォークマン」のブランド名を原点として、甦らせることを決意したそうだ。

「ブランド名を原点に」というが、ソニーには「NW-A3000」とか「NW-A608」などの無機質な型番の製品ばっかりで、「ウォークマン」なんて名前のついた製品はひとつもない。

いったい誰が「NW-A3000」という型番でHDD容量が20Gバイトの製品であり、「NW-A608」という型番で2Gバイトのフラッシュメモリタイプの製品だと認識できると思っているんだろうか?

多分それを買ったヤツだって覚えちゃいないし、製品発表時に記号や番号で呼ばせておいて、ブランド名なんてよく言うねえ、というのが正直な感想だ。

Walkman 発表記事にある写真も見たが、自分が何年か前にウォークマンユーザであったにもかかわらず、ふ〜ん、これがウォークマンかあ…程度にしか印象がない。

ウォークマンという名前を聞いても特定の機種やデザインが思い浮かばないのである。毎度、新製品の度に使い捨てにされるデザインなんだから、もちろん今回の石鹸箱や百円ライターでも、3年もたったら覚えている人は少ないだろう。(初代iPodよりデカいことはだけは、印象に残ったな)

その後で、「iPod nano」の発表スペシャルイベントを "QuickTime Player" で見た時、ブランドとは何かをはっきりと確信した。

iPod vs iPod nano
「iPod nano」と競合ライバルのサイズ比較の映像を見ていると、初代「iPod」も登場した。並べると確かに大きさの違いがよく わかるんだが、どちらもやっぱり「iPod」なのである。親子関係とか親戚関係のような、確かに別物ではあるが、どこから見てもやっぱり「iPod」は「iPod」で、ブランドというのはこういうことなんだろう。

アップルにだって、悪名高い「製品番号」は存在する。MA107J/A とか M9830J/A とかいうまるで法則性のない、「ジョブスがサイコロを振って決めているんじゃねぇのか?」と思いたくなるようなアレである。

といっても一応、世代ごとのサポート名称というのはある。
iPod を例にとれば、
第5世代:iPod(Fifth Generation)=with video
第4世代:iPod(iPod photo)=with color display
第4世代:iPod(Click Wheel)
第3世代:iPod(Dock Connector)
第2世代:iPod(Touch Wheel)
第1世代:iPod(Scroll Wheel)

というヤツだが、各世代にも細かい仕様の違うモデルが多く存在するので、結局は製品番号以外に当該機種を特定する手だてはない。

しかし、アップルはそれをけっしてエンドユーザに強要しない。

アップルはどの年代のどの形式のMac でも「iMacはiMacであり、iBookはiBookと呼び、PowerMacはPowerMacであり、PowerBookはPowerBookと呼ぶ」

Macに絡んだ仕事を生業にしていると、たまに「え〜い、ややこしいなあ、各製品ごとに識別できる名前をちゃんと付けろよな。」と思うこともある。しかし、裏方である我々は素人ぢゃないんだから、一般人に比べりゃ製品を識別するぐらいたいした苦労でも無いし、その業界にいる連中が、ちょっと調べる苦労や工夫をすれば済むことだ。

それによって、デザインが守られ、ブランドが成長するのだと思う。

どの世代の「iPod」でも仔細に検証してみれば判るが、表面には「Apple」の文字はおろかリンゴのロゴでさえ無い。裏面にも「Apple」の文字は大書きされているわけでなく、アップルマークと共に「iPod」と表記されているだけだ。

これは、「iPod mini」や「iPod nano」はもちろん「iPod shuffle」も例外ではなく、全機種共通である。

ソニーのように、ディスプレイのすぐそばに「SONY」の文字を入れたり、ユーザからよく見えるところに製品型番を表記するようなマネは絶対にしない。

何時の時代のウォークマンを見ても「SONY」のロゴばかり目立つ。メーカの名前は広まるが、肝心の製品そのもののデザインから注意をそらせるだけだ。いまさら「SONY」の名を売る必要がないぐらい超有名メーカであるのに、である。

ソニーは、先進技術が自慢のメーカだ。かつては高い技術力に基づいた製品作りが特徴という定評もあった。

Digging in the wrong place

新しいウォークマンも「有機ELディスプレイ」が売りのひとつになっているようだが、はっきりいって先進技術なんぞは絶対にブランドにならない。

先進技術などは、何年か経てばそんなものは当たり前になり、どこのメーカでも作り出す。先進技術をいかにスマートに製品に組込むか、が重要であり部品の先進性が製品に反映していなけりゃ意味がない。

部品屋としての定評を得たいなら、それも良いが、それはソニーが確立したいブランドではないはずだ。

いくら「青色 LED」のイルミネーションが奇麗だからといって、ミュージックプレーヤのトップパネルにデカデカと「日亜化学工業」とか、「中村印」なんて文字が大書きされていたら、それほど売れるとは思えない。ユーザにとっては、その部品を製造したのが「日亜化学工業」か、「豊田合成」かは、まったく問題ぢゃないのである。

エンドユーザが、注目するのは最終結果としての製品デザインである。それは、軽くて小さいのに使いやすく、お洒落で高級なのにリーズナブルといった、いってみりゃあムチャクチャな要求であるが、そういう視点からみれば「有機ELディスプレイ」だって、ただのちんけなモノクロディスプレイに過ぎない。

新しい技術が作り出すべきものは、そのコムズカシイ内輪のテクニックそのものをウリにした製品ではなく、ユーザのささやかな要求を実現した製品である。それが可能なのは必ずしも最先端技術だけじゃない。

また、製品名としてのウォークマンにこだわりすぎるのもいかがなものか、と思う。
Walkman 元祖
過去の栄光となりつつあるウォークマンの名前だって、ソニーが1社で築き上げたものではない。松下も、シャープも、三洋も、ウォークマンもどきを作り売り散らかしてきたわけだし、店頭では怪しげな東南アジア製品だってウォークマンとして売られてきた20年であったはずだ。ウォークマンという名前はすでに、ソニーと一対ではないのである。

生前私の父は、第一世代のiPodを見て「おい、そのアップルのウォークマン、ちょっと見せてみろ。」といって憚らなかったし、今年94歳で死んだばあちゃんは、数年前松下の小型ラジカセをプレゼントした時「ウォークマン、ウォークマン」といって喜んでくれた。

ウォークマンの名前が独り歩きをし、持ち歩ける音楽プレーヤの代名詞になったのは、オリジナルウォークマンにその使用形態以外に独創性がなかったからである。

すぐに他社にマネされたおかげなんだから、ブランドでも何でもないし名前が広まったからといって喜んでいる場合ではないはずだ。(ウォークマンと連呼するたびに、ソニーに金が入るシステムでもあるなら話は別だが)

企業や製品名に対するブランドというものは、いうなれば、「そこのリコーのコピー機でゼロックスしといてね。」という程度でしかない。 度数計が上がるのは、リコーのコピー機でありけっしてゼロックスではない。

ユーザに対して、この会社の、この製品でなければならないという強い魅力がなければ、ブランドは成り立たない。そのためには、その製品をいかに魅力的に見せるか、ユーザを引きつけておけるかにかかっている。

それは、外見上のデザインだけでなくその製品を使用していくうちに、どんどん深まっていくような極めて特殊な魅力が必要である。価格が高ければ高級品であるという軽薄な考え方では、自社の顧客レベルを下げるだけであり、コロコロと目先を変えるための新製品はいくら宣伝広告費を費やしてもブランドにはなりえない。

そういう意味では最近のソニーは、企業としての戦略もいただけない。

"QUALIA" というブランド名を立ち上げた時点でもうすでに負けている。何に対して?

もちろん、「SONY」がソニー対してである。

"QUALIA" というブランドはソニーの製品の中でも高級品に対して付けられるブランド名らしい。 ということは、この時点で「SONY」というブランドは高級品ではなくなったことを認めたわけだ。

一般的に、サブブランドは自社の名前を冠するには客層が異なるとか、品質よりコストパフォーマンスを優先したがために社名に対してプラスよりマイナスが多く予想される場合に使用される。

"SEIKO" に対する "ALBA"、"CITIZEN" に対する "VEGA"、"ROLEX" に対する "TUDOR"
(↑時計屋ばっかしですまぬ。)

これの、逆をやって長期的に成功した例は少ない。

ナショナルに対する "Technics"は、数少ない例外であるが、もともとナショナルというブランドにそれほど高級感が漂っていたわけぢゃない。松下もその辺がわかっていたから、あえて実行したに過ぎない。

三菱の "DIATONE" なんか絶滅同然だし、シャープの "Optonica"、三洋の "OTTO"、東芝の "AUREX" や日立の "Lo-D" なんて覚えているヤツさえいない。(たぶん)
(↑オーディオブランドばっかしですまぬ。)

彼らは全てオーディオ業界で「SONY」に対抗するためこれらのブランドをでっち上げたといっても過言ではない。(ちょっと過言かも)それでも、ソニーは「SONY」で十分に対抗してきたはずだ。

ソニーが自社内で高級ブランドを立ち上げるに当たって使用する名前は必ず「SONY」であるはずだ。そのことをライバル各社が教えてくれているのに、ソニーにはそれが聞こえないんだろうなあ。

ま、"QUALIA" の不振は名前以前に中身が無いことが一番の原因だから、「SONY」の名を汚すことなく結果的によかったかもしれない。(←これもシドイ話だ)

ソニーの戦略は、少なくともユーザの方には向いていない。どこに向いているんだろう?

取引先の企業か?利権団体か?それともライバル(笑)アップルか?

お〜い、ユーザはこっちだよ〜。……… 聞こえないらしい。

「iTunes」がデビューした当時、機能的に不足だとして自社の添付ソフトはこれでもかの機能満載てんこ盛りソフトを採用した上に、バージョンが上がるたびに外見上のデザインを変えてきた。一時的に新しモノ好きにはうけたかもしれないが、長期的に見ればユーザも手に馴染むソフトを選択する様になる。

で、ここにきて採用したインターフェイスは「iTunes」ソックリの「CONNECT Player」である。ただし、「iTunes」のようにフリーダウンロードで誰でも使える訳ではなく、ウォークマン製品に同梱されるだけ。

ソニーマーケティング広報部によれば「CONNECT PlayerはAシリーズとの連携による機能が多く、Aシリーズと一対の存在。一般公開は今のところ考えていない」そうだ。これぢゃあ広まるわきゃねえよな。

ウォークマン=売れない→「CONNECT Player」=誰も使っていないから知らない→ウォークマン=売れない

「SonicStage」とか「MAGIQLIP2」というのもあるらしいが、いったいユーザはなにに慣れればいいんだろう?iPod は複数所有してもなんら違和感はないが、ウォークマンを複数所有している人(そんなヤツいるのかな?)は大変だなあ。

ご自慢の凝った「シャッフル機能」だって、一般的なユーザは、購入時に入力されているタグや "CDDB" から取得したIDタグを編集までして使わないだろうから、ほとんど役には立つまい。IDタグをキッチリ管理するユーザは、メーカが一定の制限のもとに搭載したお仕着せ機能よりも、素材としての簡単な「シャッフル機能」さえあれば、いろいろ工夫して便利に使うものだ。

「iTunes」は、あまり凝った機能を前面に出すことなく、最初は簡単に使えてユーザの熟練度が上がれば上がるほど高度な使い方ができるような、懐の深いユーザインターフェイスをもっている。このようなソフトウェアは長期的な戦略も無く、ハードウェアのみに頼っている企業からは絶対に生まれてこない。

"iPod" は、"shuffle" や "nano" を含めて初代から全て飼っているが、最新版の「iTunes」で全機種サポートされている。電池がダメでも「ALTEC inMotion」と組み合わせりゃ1000曲入るラジカセになるしね。ソニーに、この意味がわかるかなあ?

お〜い、ユーザはこっちだよ〜。……… やっぱり聞こえないらしい。

ま、どうせ聞いていないんだから好き勝手に言わせてもらおう。

で、とりあえず、"Mac" に対応することぐらいから初めてみてはどうだろう。

これだけ人気の「iPod」でも不満を漏らす(バカ)ユーザがいるらしいし、ライバルより対応機種が限られるんでは真当な勝負もできんだろう。取っ掛かりの戦略としては脚光を浴びると思うが、できればアップルが「窓たち」に対応する前にやっておくべきことだったろうな。

私には "iPod" がいっぱいあるんで、新たなウォークマンの購入は差し控えるが...。(^^;)

そういえば、BCNに面白い記事が掲載されていた。

ソニー復活は本物?:(前略)また「iPod Shuffleは、すでにiPodを持っている人向けという印象。説明書なども分かりにくい部分がある。あれだけ解説本が売れているということは、それだけ説明書が分かりにくいというこではないのか」という声も聞かれた。携帯オーディオの最初の一台としては、大胆にディスプレイを省いた iPod Shuffle よりも、普通にディスプレイを搭載しているネットウォークマンの方が敷居が低いのではないだろうか。(原文のまま)

おいおい、解説本が売れているのは、それだけ "iPod" が売れているからで、ウォークマンの解説本がないのは説明書が読みやすくてかなわんから、ぢゃあないと思うがなあ。

iPod shuffle に説明書なんかあったかな?多分あるだろうな、見たことないけど。
だって一度電源入れたら、差し込んで、引き抜いて、再生ボタン押すだけだから。

あちこちのサイトでボロクソに言われているソニーだが、まだまだアップルに比べりゃデカい会社だし、強い会社だ。 小さくて弱い会社なら、弱いモノいぢめになっちまうし、好感のもてる会社ならユーザとしても何とか救いの手を差し伸べたくなるものだ。

ところが、デカくて強いだけぢゃなく、アホなくせにイバりくさってエラそうな会社なものだから、ついつい...もうすこし、楽しませてもらおう。(^^;)

一応、旧ソニーファン(←今は違うよ)として、問題点なんかも指摘してあげたんだから許される範囲だろう。

しかし、冷静に考えたら今のソニーに対する不満はソニー製品に人気があった時とそれほど大きくは違わない。ようするに、昔はヨソがもっとひどかったから目立たなかっただけで、以前からそれほど好感のもてる企業ではなかったし、そういう意味ではこの20年以上もの間、基本的な体質はまったく変わっていないということだ。(←う〜んスゴイね)

他所んちでは、アップルがグーを出しているのに、ソニーは後出しジャンケンでチョキを11月に出すと発表したらしい、とか 小泉首相がソニーに「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」言ったとか、言わないとか、 それは、もうコテンパンに叩かれている。

個人の言いたい放題サイトばかりではない。 ニュースサイトでも、メディアがアップル対ソニーを「2強の激突」と表現していることに違和感を表明する始末である。

更新情報にも書いたが、上記の「ソニー後だしジャンケン」の話は、本来は主にソニーに対する皮肉であるが、ここでは少しアレンジをしてメディアに矛先を向けている。(つもりだ)

9月8日午前:アップルがグーを出した。
9月8日午後:ソニーは11月19日にチョキを出すと発表。

はたして勝負の行方は?

勝負の行方?決まってんぢゃないの?えっまだ?だってチョキよりグーのほうが...。

メディアの連中は、それでも勝負はついていないという。今年になって、何度ソニーの勝利を伝える大本営発表記事がネット上を賑わしたことか。ウォークマンの新製品発売開始から5日間だけの売上統計とか、カテゴリーや分類をいろいろ工夫してソニーが「善戦」しているように見える記事の書き方は、感心するばかりである。

ま、そうすることで何かメリットがあるからだろうけど、本来の役割はいったい何なんだろう?
(読者の信頼なんかよりはスポンサーの信頼の方が大事だよな、金になるし。)

実際メディアの言うことは新聞やテレビも含めて、あてにはならない。それが商業的な側面を持つ限り中立はありえないが、あまりにも提灯記事が多い現状はひど過ぎる。これではすでにニュースとか報道ではなく、広告でしかない。売上ランキングなどその最たるものだ。

そんな、粉飾決算に近い記事を書かれてまで擁護されるのは、何らかの政治的策略の結果であろうということは予想できるが、企業として恥ずかしいと思う。

誰が見ても、どこから見ても、「SONY」の文字がなくても「あっウォークマンだ」といえる製品が出たら「ウォークマン」というブランドに対して考え直してもいいが、果たして何時になることやら。

....ということで、ヒトツよろしく。m(_^_)m
Hexagon / Okayama, Japan
(2005年 9月某日)