Last Update : 2005.09.29








雑記/雑想



Audio系 iPod
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iPod & Audio

「iPod の問題点?」

[2005.09.29]

人気上々の"iPod nano" についてまた、新たな問題が発生しつつあるようだ。

ハデハデ iPod
困ったものだ、今度は画面がキズつきやすいということがことさらに大きく取り上げられ始めた。アップルに 「もっと情報を開示して説明責任を果たすべきだ」と言い出す輩まで出てきた。

毎度、毎度、取り沙汰されるこの手の問題は報道という名をかりて、企業の思惑に翻弄される 商用サイトによって広がっていく。

懲りないユーザに「うつくしいものはね、きずつきやすいんだよお」といって引導を渡すのは簡単であるが、「実際のところってどうよ?」という素朴な疑問もあるだろうから、歴代「iPod の強さ」という視点で検証してみた。

だいたい、ページの拡張子が "htm" みたいなちょっと足りないサイトは、信用できないと個人的には思っている。
(はいぱ〜てきすとま〜くあっぷらんげっぢの拡張子は "html" だ、バカタレ。) ...余談である。(^^;)

まず最初にことわっておくが、「iPod nano」に限らず製品の不具合については、購入前または購入時に発生したトラブルと、ユーザが使用しているうちに発生したトラブルをはっきり分けて論じる必要がある。これをいっしょくたにして記事を書いているサイトが意外に多い。

ひとつは、出荷時の液晶画面の破損等、購入前から発生している製品の状態に関する問題はメーカ公式発表あるなしにかかわらず、個別対応で行われるべき事項である。

いわゆる「着荷時不良」と呼ばれる状態である。まともな販売店(量販店も含む)では購入時に製品の状態を確認の上「保証書」に捺印するのだが、この時点で故障/破損しているモノはメーカでなく販売店レベルで新品交換に応じてくれる。(←あたりまえだが)

「iPod shuffle」などについては、保証期間内の修理も新品交換になるようで、この場合もメーカでなく販売店で対応しているようだ。ただし、全ての販売店で一律に適用されるものかどうかは確認していないので、自身の購入先に連絡してみていただきたい。

このような対応が、「Apple Computer」の指示によるものか、中間の流通業者の裁量の範囲で行われているのかは定かではないが、ユーザにとってはありがたいことである。(以前のように、購入後は新品であっても交換ではなく修理扱いになるという不条理な対応が少しずつ改善されている結果のなら良いのだが)

いずれにしても、それほど大きく価格が違わないなら、サポートのしっかりした各ユーザの地元の販売店を利用したほうがメリットが大きいと思う。

ふたつめは、ユーザが購入後製品を使用しているうちに発生したトラブルである。一般的に製品保証期間内であれば、所定の手続きを行うことによって無償で修理が行われる。モノによっては、1週間程度の期間であれば初期不良について交換に応じてくれる場合もあるようだ。

アップル製品の場合は「 AppleCareサービス&サポートライン 」を通じて「ピックアップ&デリバリー修理」を利用するのが手っ取り早い。

TEL:0070-800-27753-1(0070-800-APPLE-1)通話料無料
・月〜金曜日:午前9:00〜午後7:00
・土日祝祭日:午前9:00〜午後5:00

(アップルもコールセンターと呼んだり「AppleCareサービス&サポートライン」と呼んだりどちらかハッキリして欲しいもんだが、有償サービスの固有名詞である "AppleCare" という言葉が入っているのが一番の問題であろう。)

家電量販店経由で修理を依頼した場合、メーカに届くまで若干(へたをすると1週間以上)の時間がかかるようだ。たぶん、「AppleCareサービス&サポートライン」へ連絡するときに、ユーザからまた聞きの現象説明に手間取るからぢゃないかなあ、と思っているが本当の理由は定かではない。

以上のように、トラブルの発生した経緯によって対応が異なることを認識した上で話をすすめる。したがって、個人的には購入後の取り扱いに対してはある程度ユーザが配慮するべき問題で「説明責任」が発生するほどの問題ではないように思えるのだ。

「iMac G5」のコンデンサの問題は、ほとんど取り上げなかったメディアも今回は、こぞって問題視しているようだ。 (参考: iMac G5 のビデオと電源に関するリペアエクステンションプログラム)

本来メディアが取り上げるべきは、その影響が及ぼす深刻度や実際にアップルから対策が発表されたことを考えると、こちらであったはずだが「iMac G5」と「iPod nano」では販売数が比較にならないということだろう。

メディアにとって数の内に入らないマックユーザだけの問題と、いまやウィンドウズユーザも多数巻き込んでいる「社会現象:iPod」だから致し方あるまいと思う一方で、マックユーザ向けのニュースサイトでも対応は似たようなものであったことが、商用メディアに対する不信感をつのらせるばかりである。

「iPod mini & shuffle」以外の筐体はいずれもポリカーボネイトの表面とステンレス製の裏面という形態が共通になっている。 「iPod シリーズ」は どの機種も、液晶部分の表面硬度は似たり寄ったりで、「iPod nano」 の表面が、ほかの機種に比べて取り立ててキズつきやすいとは思えない。

各世代の
参考:
各世代の "iPod" たち、
左から
20GB (21.4mm) : TouchWheel
30GB (18.7mm) : with DockConnector
40GB (17.5mm) : Click Wheel

世代を追うごとに、容量は大きく厚さは薄くなっていることがわかる。

(画像クリック:拡大 800 x 297=188KB)

たしかに、初代と第2世代についてはクリア部分の厚みは1.5ミリ以上あり外見上丈夫そうに見えるが、「iPod nano」では、クリア部分の厚みは1ミリもない。材質にさほどの違いがなければ表面硬度も大差はないはずであるが、肉厚が薄いことによってキズが目立ちやすいというのはあるかもしれない。

しかし、厳密には「キズがつきやすい」というのと、「キズが目立ちやすい」というのは意味が違う。本体に「キズをつけたくない」なら、本体と保護シートを同時購入し、使用する前に貼らなくてはならない。「キズを目立たせたくない」なら、あとから保護シートを貼っても意外と効果はある。

シリコン系の接着面がキズによる光の反射を抑えるからぢゃないかと思うが、詳しいことはわかりまへん。(‥?)
iPod 今昔
保護シートにだって「キズがつきやすいモノ」、「キズが目立ちやすいモノ」、またはそうでないモノもあるからキリはないが、おしなべて綺麗に貼り付けるにはかなりのテクニックを要する。小さな繊維クズひとつで気泡となり、貼らないほうが綺麗に見えることだってある。

それが本体に付いてしまったキズではないという「精神的安堵」を求めることが目的であれば、見た目はさておきそれなりの効果は期待できるが、キズだらけの保護シートを貼ったままの状態では、少なくとも外見上は本体にキズが入っているのとなんら変わりがない。

また、保護シート貼ったからといって、扱いが悪けりゃやっぱしキズが入るわけで、扱いが乱暴になって本体機能にも影響を及ぼすようでは本末転倒であることは言うまでもない。

これらは全て、「自分のミュージックプレーヤ=iPod」として使用することが前提の意見であるから、なるべく高く転売したいという姑息な考えでキズを気にする輩には「箱から出すな」と言っておこう。

もし世代間に違いがあるとすれば、材質の問題よりその形状からくる使われ方、収納のされ方であろう。

初代〜第4世代までの「iPod」はいずれも重量150〜200gクラスで、その外形寸法や厚みからジーンズ(我々の世代はジーパンと呼ぶ)のポケットに入れて持ち運ぶというのは多少抵抗がある。ポケットがモッコリとなっちまうのであまりスマートとはいえないし、第3世代の10GBモデルが登場するまで、主にその厚みが気にならない上着のポケットあたりが落ち着きどころだった。

iPod テンコ盛 ところが、「iPod mini」の登場で多少事情が変化した。限りなく100g に近づいた重量もさることながら、筐体が全面金属製になったこともあり俄然ジーンズのポケットでも問題がなくなったからだ。加えて、製品ラインナップに5色のカラーを採用したことも一因となって、よりカジュアルな使われ方がメディアを通じて紹介されるようになり、初期モデルに比較すると扱われ方がより乱暴になってきたことも事実だ。

実際には、「iPod mini」もアルミ筐体の角部分がかなり弱く、ちょっとぶつけただけでもヘコんでしまうひ弱さを持っている。ただし、「iPod mini」に使用されているアルミの硬度が極端に劣るわけではなく、そのエッジの立ったデザインからくる構造的な弱さである。

「iPod nano」の表面はポリカーボネイトで非常に丈夫な材質であるが、キズに極めて強い訳ではない。一般的に表面の気になるキズはスクラッチのような浅いものが多いが、この手のキズはあまり堅い材質より、へこんでも復元するポリエチレンテレフタレート(PET)のような柔らかい材質の方が残りにくい。保護シートやフィルムは、このようなキズから守るためにあるのだから、あたりまえっちゃああたりまえなんだが、ポリカよりスクラッチに強い。

ぢゃあ、アップルがなんでそのような材質を「iPod」の筐体に採用しないかというと、内部機構(主にカラー液晶)を保護する方が優先順位として高いからにほかならない。「iPod shuffle」のように液晶画面がなけりゃ別だが、そんなPETボトルみたいなモンにカラー液晶を入れられても困ると思う。仮に、出荷時からそのような表面コーティングをしてくれたとしても、ユーザレベルで簡単に交換ができなけりゃ意味がないし、あまり価格を高くされても面白くはない。

表面硬度だけでいえばガラスやクリスタルという手もあるが、筐体に粘りが無くなり強度を持たせるためにかなりの厚みと重量増を覚悟しないといけない。第一、危なくて気軽にはポケットに突っ込めなくなるしね。(^^;)

「iPod nano」にはブラックモデルもあるので、こちらはその色の関係でキズがよりいっそう目立つようになったという側面もあるが、主たる原因はその大きさと厚さ(小ささと薄さ)からくる手軽さ、しいては取り扱われ方の変化にある。

「iPod mini」以降の販売戦略では、従来のパソコン周辺機器としてのスタンスではなく、ことさらにファッション性が強調され意識的にカッコ良く見える扱い方が紹介されてきた。

iPod Fashionable

その一例が、ジーンズのポケットに「iPod mini」を無造作に突っ込んだ男性モデルや、「iPod」を単なるファッションアイテムのひとつとして捉えた女性モデルなどの写真が数多く紹介され、従来の顧客層と異なる対象にアピールしたイメージ戦略である。メーカとしてはそのイメージが、実際の製品の使われ方を忠実に表していると思われても困るだろう。
(勘違いしてくれりゃありがたい、という程度の思惑はあるだろうが...)

かといって、ダサい服着てバックパック背負った小男が、大事そうに保護ケースで包まれた「iPod」に息吹きかけて磨いている構図から、こちらを振り返りチョキをだしてニタッと笑うようなシーンは間違ってもCFに使えないし、売り上げにもたぶん貢献しない。念のために言っておくが、それが「実際の製品の使われ方を忠実に表している」といっているわけではない。v(^^);

「iPod shuffle」登場までの各シリーズは、ユーザがどうイメージしようとも、バッテリーを搭載した外部ハードディスクにほかならないわけで、その製品に発生する不具合は、メーカの設計上または製造上の問題によって発生するものより、ユーザの取り扱いによるものの方が圧倒的に多い。

要はいかにアッップルやメディアが、「iPod」のファッション性をアピールしようがパソコン周辺機器であることに変わりはない。また、「iPod」を使用する上で "Mac" なり "Windows" との連携が必修になることから、購入対象者がパソコンユーザである以上その機器の取り扱いはあくまでも「周辺機器」の範囲であるべきだろう。

いくら、ジョブスがジーンズのポケットから出したといっても、あれが「iPod nano」の薄さを強調したデモンストレーションであることぐらい、誰でも判っているはずだ。実際、「iPod nano」が完全に隠れるほどの深さをもったコインポケットを持つジーンズを私は見たことがない。(ジョブスのはたぶん底が破れていたんだろう)

Jobs & iPod nano

ジーンズのポケットといっても、フロント部分に関してコインポケットは特殊だ。通常のフロントポケットは奥の方へいくとそこの生地はデニムではなく柔らかいコットンであるが、コインポケットは両面がデニムでできている。

ジーンズの世界ではストーンウォッシュという言葉があるが、額面通りに受け取れば洗いざらし感を出すために軽石などと一緒に洗濯をするらしい。いうなれば石をヤスリ代わりにつかってデニムを削るのである。

とうぜんストーンウォッシュされたデニムには細かい石の粉のようなものが含まれているわけだから、いつもそんなところに「iPod nano」を入れておけば筐体表面はギタギタになることは容易に想像できるはずだ。
(実際にはストーンウォッシュ風であり、染料で洗いざらし感をだすケミカルウォッシュが主流らしいが...)

ストーンウォッシュ(stonewash)
デニムや革を軽石などを入れて洗い、表面を毛羽立たせたり、色落ちさせたりして、着古した感じを出すこと。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

いずれにせよ、めったに洗濯もしない「こ汚いジーンズ」のコインポケットなんぞに入れておけば、歴代どの「iPod」でもキズは入る。たまたまそのサイズの問題から、そこには入り込めた「iPod」は、"nano" が最初であったに過ぎない。

ま、アップルとしては「iPod nano」発表の会場でスクリーンに「よい子はマネしないでね!」と大きく表示するべきだったのかもしれないし、その問題をことさら大きく取り上げているメディアの大半や、声高に「iPod nano」のキズ問題を論じている個人はマジでそう思っているんだろうな。

iPod nano TV-CF

もちろん、「iPod nano」の TV-CF で行われているようなマネをすれば、手品師でも落っことすことはあるだろう。
こちらも「よい子はマネしないでね!」である。


「廊下を走るな」「ゴミを捨てるな」「私語を慎め」「猫を電子レンジで乾かすな」「コインポケットにはコイン以外を入れるな」「iPod には保護シートを貼れ」...幼稚園児にまで客層を広げた弊害だな、こりゃ。(+_+;)

今回の「キズつきいやすい」という問題もネット上を賑わしている以上、その問題を訴える側、記事として取り上げるメディア、またそれを閲覧するユーザの全てがいくら「コンピュータのことなんか全くわからない一般人」のフリをしても通用しない。

そんな記事は目にするが、「iPod」関連のケース類や保護シートの存在を一度も目にしたことがない「iPod ユーザ」がいるとは思えないし、アップルが「情報を開示して説明責任」を果たしても、「コンピュータのことなんか全くわからない一般人」はたぶん見ていないと思う。

そんな連中は、マニュアルだって読まないし、いくら注意書きを書いても絶対見てない知らないと言い張る。メーカが注意書きを取説に入れるのは、訴訟になったときの判決が有利に働くと思うから入れるのであって、ユーザに注意を喚起することが第一目的では決してない。

それより、周りにパソコンに関して詳しいユーザがいない「iPod ユーザ」を見かけたら、ケースや保護シートの使用を勧めようではないか。本当に「iPod」ユーザのことを考えているなら、すでに入ってしまったキズを堀かえすより新たなキズを増やさないように注意を呼びかける方が建設的であろう。

極々私的な意見だが、

ジーンズのポケットに「iPod nano」を裸で突っ込んで使うようなヤツにキズ云々を論ずる資格はない

と思っているし、

そんなにキズが気になるなら、最初っから保護シートぐらい貼っとけよな。

と思う今日この頃である。(-_-#)

....ということで、ヒトツよろしく。m(_^_)m
Hexagon / Okayama, Japan
(2005年 9月某日)